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お口は全身を健康に保つ器官  尾崎 司

 私たちの口の中には、300種類を超える細菌が歯やその回りに何億も存在しています。 これらの細菌は、虫歯や歯を支えている骨を溶かす歯周病の原因です。 これらの細菌は、口の中の病気だけを引き起こすと考えられていました。
 歯の回りに増えたこの何億もの細菌は、炎症を起こす物質を生み出します。 そしてこれらの物質あるいは一部の細菌は、血管を通じて全身の各器官に広がります。
 最近では、この物質、あるいは器官に直接到達した一部の細菌が体の病気にも関わっていることが分かってきています。 例えば、肺炎、血管系の病気、心臓病、糖尿病、低体重児出産の原因などです。
 これらの病気から体を守る為に、歯の回りの何億という細菌を取り除くこと=プラークコントロールが大切です。

ながら磨きのすすめ  田中 道生

 皆さんは、1回の歯磨きにどれくらいの時間をかけていらっしゃいますか。 1分以内という方が多いのではないでしょか。
 歯磨きの3原則として、1日3回、食後3分以内に、3分間以上と、よく言われますが、洗面所で立ったまま磨いていると、 特に寒い季節など、ついつい簡単にすませてしまいがちです。
 そこで、ながら磨きをおすすめします。 リビングでテレビを見ながらや、新聞を読みながら、歯磨きをしてもらうと、3分以上という時間も苦にならないのではないでしょうか。
 但し、時間をかければ良いというものでもありません。 歯と歯の間や、歯と歯肉の間まで、丁寧に磨くことが大切です。

PMTCって知ってますか?  田中 希代子

 PMTCとは、プロフェッショナル・メカニカル・トゥース・クリーニングの略で専門家が行う歯のクリーニングのことです。
 基本的には、むし歯や歯周病にならないために、むし歯や歯周病を治療した後の再発防止に、 むし歯や歯周病の進行を和らげるために行うものです。 しかし最近はエステティック感覚で、歯のおしゃれの一環として希望される方も増えてきた様です。
 歯垢(むし歯や歯周病の原因となる細菌の塊)はもちろんのこと、 こびりついたタバコのヤニ、紅茶やコーヒーによる着色などもきれいに落とせます。
 リラクゼーション感覚で受けられ、歯がきれいになれば一石二鳥かも知れませんね。

食後のつまようじ  沢井 嘉宏

 食後につまようじを使う人は少なくありません。歯と歯の間に挟まった物を取ったり、入れ歯や虫歯の穴に入った食物をかき出したりするのに利用しますよね。
 しかし、つまようじは歯の健康にとって妨げとなることもあります。 挟まった物を逆に奥へ押し込んでしまったり、歯肉に傷をつけてしまうこともあるからです。
 その点、歯ブラシやフロス、歯間ブラシなどは、歯や歯肉には優しいように思えます。 つまようじを使うときは十分注意して使いましょう。できれば食後の歯磨きを習慣づけたいものですね。

歯のケア  豊後 健太郎

 歯が健康な人は、からだも健康だといわれています。
 かたい食品をかめる人は、かめない人の比べて目や耳がよく、脚力なども強いという調査結果もあり、 歯を使ってかめる人は体力があって健康面での心配が少ないというのです。 歯を失うとかめないのはもちろん、全身の健康にも大きく影響してくるのです。 1本でも多く自分の歯を残すために、正しいケアを今日から始めましょう。
 また、予防や早期発見には、定期的な検診が欠かせません。 最低半年に一度は、近くの歯科医師で歯のチェックをしてもらいましょう。

誤嚥性肺炎について  南 雄三

 老人ホームで長期に渡ってブラッシング指導と口腔ケアを行った結果報告があります。
 内容は、口腔衛生状態が改善、歯肉炎が治癒し生活に活力が出て、食事量の増加や他者とのコミュニケーションが良くなったというものです。 注目すべき事に、原因不明の発熱を起こす人が減少したという報告もがあります。 睡眠中は健康な人でも誤嚥が起こり、口腔内の雑菌が肺に侵入しやすくなります。 特に脳血管障害を持つ人などでは咳反射や嚥下反射が低下し、正常な人と比べて誤嚥性肺炎が発症しやすくなります。 原因菌の多くは口腔内常在菌で歯周病菌なども大きな割合を占め事がわかってきました。
 口腔内を清潔に保つ事は虫歯や歯周炎のみならず、老人の直接死因のトップを占める肺炎まで効率的に予防しうる事につながります。

たかが歯磨き、されど歯磨き  板東 直子

 近頃では、歯磨きをしないという人はほとんどいなくなりました。 歯科疾患実態調査で昭和32年では歯を磨かない人は21.22%だったのが、平成11年には1.29%になっています。 ただ、ちゃんと磨けていなければ意味がありません。いつもいい加減では汚れは残ったままです。 それが歯周病や虫歯を引き起こしていくのです。
 最近の面白い研究結果があります。 老化のひとつの指標である血管年齢は、歯の手入れがよい人ほど低いというのです。 歯磨きの回数ではなく、1回の時間が大切だということです。歯磨きでアンチエイジング。 まずは丁寧に時間をかけて磨くことからはじめてみませんか?

介護予備には口腔予防が重要  岡本 晴夫

 高齢になるにしたがって手足の動作が鈍くなり、歯磨きをするのも難しくなります。 要介護高齢者の直接的死亡原因は、第一位が肺炎33%、第二位は感染症19%と呼吸器系の疾患で半数以上であることから、 介護予防には口腔ケアがとても重要です。
 いつまでも「おいしく・楽しく・安全な」食生活を営むために自分で磨ける間は御自分で、 介護の必要な方には、障害に応じて工夫しながら行っていただく必要があります。
 時にはかかりつけ歯科医の訪問治療を利用するなどして検診や口腔機能向上の支援を受けていただくと良いでしょう。

歯の寿命  飯田 啓方

 28本の永久歯のうち10本以上を失うと食事や会話などに支障をきたすことが多くなります。そこで、自分の歯が18本以下になった時点を仮に「歯の寿命」とすると、日本人の平均は60歳後半。歯をなくしたため食生活などの楽しみを制限される期間が10年以上に及んでいるのです。
 中高年が歯を失う主な原因は歯周病ですが、その歯周病が糖尿病などの生活習慣病のリスクを高めることも知られてきました。歯の寿命が短い人は健康寿命も短いといえそうです。歯周病を防ぎ健康寿命を延ばすため、毎日の歯磨きの習慣を見直しましょう。

歯ブラシ一本で目に見えない菌を予防!!  南 雄三

 もし、口腔内を手鏡で除いたときたくさんの虫がいて歯や歯を支える骨をかじっている姿がみえたらどうされますか?  あなたは、様々な器具を駆使して一匹たりとも取り逃がすまいと必死になることでしょう。
 もしも虫歯菌や歯周病菌がこのような生態であったならば今日まで人間の口の中で生き延びることは不可能だったでしょう。 ところが彼らは賢かったのです。まったく同じ悪さを人の目を誤魔化しながら巧妙にやってのけます。 目に見えないということはなんと人を楽観的にさせるのでしょう。
 歯ブラシ一本で駆除ができます。食べたらすぐ磨きましょう