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6.小児歯科・発育(1)

咬合誘導について  田中 希代子

 咬合誘導とは、成長期の間に、顎の成長を妨げている要因を取り除いたり、 積極的に永久歯の生える隙間を作ったりして正常な永久歯列へと導くための治療です。 つまり、永久歯歯列矯正の予防的治療と考えていただいてよいでしょう。
 実際、早い時期に適切な咬合誘導を施すことにより、 永久歯の歯列矯正が必要でなくなるケースが少なくありません。 咬合誘導のメリットとしては、より理想的な正常咬合が得られること、 再発の心配が少ないこと、治療費用が安いこと等が挙げられます。
 素人では気が付かない不正咬合も案外多いものです。 小さなお子さんをお持ちの保護者の方には、 是非一度かかりつけの専門医にチェックを受けられることをお勧めいたします。

よくかんで食べよう!  江見 丈

 最近、やわらかい食べ物を好む傾向があります。 しかしよくかんで食べることも、健康で丈夫な歯をつくるうえで欠かせないポイントになります。
 よくかむと、だ液がたくさん出ます。 消化吸収をよくする働きのほか、だ液にはカルシウムやリンが飽和状態で含まれているので、 歯のエナメル質から溶け出したカルシウムやリンを補います(再石灰化)。
 また成長期には、かみごたえのある固い食べ物(小魚、リンゴ、野菜スティック、ナッツ、スルメ、昆布など) をよくかむことが歯の植立状態をよくし、美しい歯並びを形づくるのに役立ちます。 加工されたやわらかい物だけでなく、自然の食べ物をよくかんで食べましょう。

『みにくいアヒルの子』時代  小寺 修

 子供さんが小学校へ上がった頃、上の前歯の真中が開いて外向きに生えてきたと、 びっくりされる親ごさんがいらっしゃいます。実は、上の前歯4本は熊の手のように間が開いて、 すきっ歯で生えてくるのが正常です。この時期を『みにくいアヒルの子』時代と呼びます。 これはあとから生え代わる犬歯のスペースを確保するためで、 犬歯が生えることによって自然と隙間が閉じてゆきます。
 ところが最近は前歯4本が隙間なくきれいに並んで生えてくる子供さんが増えて来ています。これは実は歯に対して顎の骨が小さいか、顎の骨に対して歯が大きいか、もしくはその両方が考えられます。この場合は犬歯が八重歯になってしまう可能性が高いです。前歯4本の隙間がなかったり、重なっている場合は、一度かかりつけの歯科医に相談されると良いでしょう。

乳歯の特異性について  宮内 満喜雄

 むし歯は歯の表面の穴開けから始まり、内部に進んでいきますが、 永久歯と乳歯では進み方も症状も違います。
 永久歯の場合は冷たい物がしみる、違和感を感じるなど、いろいろな症状が出て早く気付きますが、 乳歯の場合は自覚症状が永久歯ほど明確ではありません。 乳歯のむし歯の進行はとても早いので、親の気付かないうちに象牙質まで達する大きな穴になって、 その下の歯の神経まで進行してしまうことがあります。
 神経にまでむし歯が及ぶとやっかいな治療をせざるを得なくなりますから、定期的に歯科医院を訪れて、早期発見につとめ、神経まで触らなくてよい治療で済ませられるようにしていきたいものですね。

子供の歯について  浅原隆史

 今回、子供の歯についてお話したいと思います。 小児歯科では3ヶ月程度に1度の定期健診などのチェックが必要とされています。
 乳歯は、虫歯の罹患率も高く、偏食や甘いものを多く食べる傾向があり、つめたものが取れたり、 新しい虫歯の発生がとても起こりやすいとされています。 また、自覚症状が少ないために虫歯が大きくなりやすく、永久歯に影響がでるともされています。 ですから、単に乳歯の虫歯と思わず、フッ素塗布、シーラント等の予防処置なども含めて、 子供達の歯に関心を持って、子供達の小さなサインを見逃さないで下さい。

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