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喫煙と歯周病  中道 雄司

 タバコは健康にとって有害であることはいうまでもなく、歯や口腔の組織にも影響を及ぼし、特に歯周病の重要な危険因子であります。
 タバコに含まれるニコチンは、血管を収縮させる作用があるため、歯肉炎を起こしても出血しにくく、気付かぬうちに進行してしまうことが多いのです。 またせっかく歯石を取っても、喫煙するとニコチンがすぐに歯根面に付着して治療の効果を台無しにします。 全身的にも免疫系の機能を低下させ、歯周病を悪化させます。
 それにタバコを吸う人の口臭は非常に臭って、周囲にまき散らしています。それでもタバコを吸いますか?

歯周病は予防できます  岸 和久

 歯周病には、歯肉炎と歯周炎があります。歯肉炎では、歯肉(歯ぐき)が赤く腫れ、リンゴを噛んだりすると血が出ます。 歯の表面にはプラーク(歯垢)が付いていますが、まだ歯周組織は破壊されていません。
 歯周炎になると出血しやすく、膿が出て口臭が強くなります。 歯肉が下がって歯根が姿を現します。また歯周組織が破壊され、歯が揺れ動き、物が噛めなくなります。
 このような歯周病は、食生活に気をつけて、定期的に検診してもらうことによって予防するこができます。

歯周病と全身疾患  若林 学

 歯周病と全身疾患との関連について興味ある事柄が米国で研究発表されました。
それによると、歯周病を有する心臓病の生存者は、心臓病の再発のリスクが増加するかもしれないこと。
 歯周病の一症状である歯肉の疾患が進行している心臓病の患者は、歯肉の疾患のない心臓疾患患者と比較して、 血液中の抗C蛋白もしくはCRPと呼ばれる物質の上昇が認められ、これらの物質が多くなると心臓病に成り易いということです。
 とにもかくにも、健康を維持するのは容易ではなく、中高年という世代に入るとこのような持病をお持ちの方は、 歯牙の清掃にも十分留意して良い生活を続けるようにしてもらいたいと思います。

歯周病  豊後 健太郎

 むし歯になると、冷たいものがしみたり痛んだりと、けっこう初期の状態から自覚症状がありますが、歯周病は痛みがなく、静かに進行する病気です。そのため、本人が気がつかないうちに歯周病にかかっていることが多いのです。
 歯周病の最大の予防は、歯垢をためないことです。基本は毎日のブラッシング。 でも、やみくもにゴシゴシとやっては歯茎を傷つけたりして逆効果。 まずは、かかりつけの歯科医院で自分に合った歯ブラシの選び方や正しい磨き方の指導を受け、習得してください。 そして、自分では取れない歯石は、歯科医院で定期的に取り除いてもらいましょう。

歯周病とタバコ  嶋谷 雅博

 喫煙が、歯周病(しそうのうろう)の重要な危険因子として注目されています。 喫煙者の方が、非喫煙者より約2〜9倍ほど歯周病にかかりやすく、また喫煙量が多いほど重度の歯周病になりやすいということが、多くの研究で示されています。
 さらに、喫煙は歯周病の治療だけでなく、種々の外科的処置などの歯科治療の効果を大きく低下させることが明らかにされています。
 しかし、喫煙者だった人でも禁煙すれば治癒能力は回復します。 歯周病の予防や、治療を円滑に進めるためにも、喫煙者の方には禁煙、節煙をおすすめします。

歯周病と妊娠・出産のかかわり  田中 希代子

 妊娠すると、胎盤の発育に伴い卵胞ホルモンと黄体ホルモンが分泌され、歯肉溝中での濃度も上昇します。 歯周病菌の一つであるプレボテラ・インターメディアは、これらのホルモンを摂取することにより、 妊娠12〜13週頃になると妊娠初期の5倍に増殖し、その結果、妊娠性歯肉炎や軽度〜中等度の慢性歯周炎などを発症するようです。
 近年、歯周病は低体重児出産に密接に関係していると言われていますので十分な注意が必要です。 歯周病治療により、低体重児出産の発生率が約5分の1に減少したとの報告があります。 歯周病は自覚しにくい病気です。大切な赤ちゃんを守るためにも、妊娠したらなるべく早く歯の検診を受け、しっかりと管理してくださいね。

歯周病の原因と予防法  宮内 満喜雄

 歯周病とは歯周病菌により骨を溶かし歯茎を痩せさせそのまま進行すると歯が抜けてしまう病気です。
 歯周病の原因には全身疾患によるもの、遺伝的なものが考えられますが、ほとんどは口腔内の清掃不良です。 よく患者様で「1日3回ブラッシングしているのですが、なぜ歯茎が腫れたり下がったり歯周病がよくならないのですか?」と質問を受けます。 それは歯周病の一番の原因である歯周ポケットの汚れが清掃できていないからです。
 磨いていると、磨けているは違いますので、自分の磨き方に不安のある方はぜひ一度歯科を受診してみてください。

歯周病について  江見 丈

 歯周病は歯を支える歯茎など歯の周囲に起こる病気です。 歯の土台の病気ですから進行すると歯がぐらつき、ついには抜けてしまいます。 歯を支える歯茎が炎症を起こし、歯と歯茎の隙間(歯周ポケット)が深くなると、あごの骨の一部である歯槽骨が徐々に破壊されます。
 歯周病はさまざまな全身疾患のリスクになります。
 歯や歯茎の健康は口の中だけでなく、全身と関係しています。 口の中には何百種類という細菌が生息していますが、口から体の中に入り込むと様々な病気を引き起こすことが知られています。 たとえば心臓病、肺炎、糖尿病、早産などです。 歯周病は歯周病菌である歯垢(プラーク)や歯石による歯茎の炎症ですが、たかが口の病気と侮ってはいけません。

メタボリックシンドロームと歯周病  中道 雄司

 これは内臓脂肪症候群といわれ『肥満、高脂血症、高血糖、高血圧』といった『動脈硬化』の危険因子をいくつも併せ持った状態のことを言い、 糖尿病になるリスクは通常の7〜9倍にもなります。 メタボリックシンドロームは歯周病にも影響を及ぼしていることが分かっています。
 現在、歯周病と糖尿病の関係も注目され、糖尿病になると高血糖のために血行が悪くなり歯肉悪くなり、 細菌が進入して歯周病が合併します。
 ところが逆に歯周病が糖尿病の症状を悪化させていることが最近分かってきました。
 したがって歯周病を防ぐことで糖尿病の症状の悪化を抑え、またメタノリックシンドロームの症状の悪化を抑えることができるのです。