入れ歯　　小西　栄次

　抜け落ちた歯が多くなってきますと、食事がしづらくなったり、喋りにくくなったりします。 また見栄えも気になることの一つですよね。それらの問題には限界があるのですが、ある程度解決してくれるのが入れ歯です。
　初めて入れ歯を使用される方は、慣れるまで少し努力が必要ですが、調整してはめられることをお勧めします。
　また、現在使っている入れ歯で痛みが伴う、がたつくなど、調子が悪くなってきたら、早めに歯科医に相談してみて下さい。 そのまま放っておきますと、歯や歯茎、そして顎の関節に良くないと言われています。

入れ歯に慣れる　　沢井　嘉宏

　入れ歯は歯を失った時に入れますが、初めて入れ歯を入れた場合、また入れ歯を新しく作り替えた時はなかなか噛みにくく使いにくいものです。 入れ歯そのものには、本来噛む力はなく、入れ歯を入れた人が噛めるようにするものではないかと思っています。
　新しい入れ歯を入れると、舌の動きは勿論、唇や頬の動き、また噛み合わせ、噛む力など多くの機能が変化し、 入れ歯が体の一部となってはじめて噛めるようになるものと思います。 これが慣れるということではないかと思います。
　入れ歯を入れてなかなか慣れないという場合は、歯科医師とともに努力しましょう。

歯を抜けたまま放置したら　　大槻　栄人

　口の中で一本でも抜歯したままにすると、大変な影響が出るものです。 噛む力が低下するだけでなく、今まで噛み合っていた歯や、抜けた歯の前後の歯にまで影響し、最終的に口の中全体が変化してきます。
　噛み合わせを失った歯、たとえば下の歯が抜けると、上の歯は下方へのびて、役に立たなくなります。 また、抜けた歯 の後ろの歯は前に倒れ、前の歯は後ろへ移動し、歯と歯の隙間が開き、それだけ歯並びが悪くなります。 さらに、奥歯が多数抜けると前歯で噛む習慣がつき、前歯が前方へ出て、「出っ歯」になってきます。
　このように歯を抜いたまま放置すると、口の中の状態が乱れ、噛み合わせ、歯並びが悪くなります。早めに歯科医院を 訪れ、治療や予防方法を相談して下さい。

磁石を使った入れ歯　　小西　栄次

　部分入れ歯をはずれにくくするには、針金で残っている歯をひっかけてつかむ方法が一般的です。 ところが歯の根に磁石にくっつきやすい金属を埋め込み、他方強力な磁石を埋め込んだ入歯を装着すると、 入れ歯は比較的はずれにくくなります。この方法のよい点は、装着感がよいこと、外見上針金が見えないことから、 入れ歯をしていても、それとわかりにくいことです。
　また、差歯とか冠とかにするのが困難な歯でも、磁石を埋め込める根が残っていれば、 その歯を活用できるということです。
　ただ病院の精密検査に際し、支障をきたすことがありますので、詳しくはかかりつけの歯科医に相談してみてください。

長持ちする入れ歯　　小西　栄次

　入れ歯を新調したり修理した後、次第になじんで来てよく咀嚼できるようになります。 ところがある時期を経てくると、顎の骨や歯茎が変化し入れ歯が合わなくなり、歯茎が傷つき痛みなどが出てくることがあります。 また歯垢や入れ歯の内面にまで及ぶ歯石がつくと、さらに合わなくなります。 それをそのまま使い続けると入れ歯が割れたり歯茎の状態が悪くなります。 針金を掛けている歯も揺れてきたり虫歯になりやすくなります。こうなると歯も入れ歯も長持ちしません。 お口の健康のために入れ歯と歯のお手入れが大切です。異常に気がつかれたら早い目に受診されることをお勧めします。